Q:この講座は、どのような勉強をするのでしょうか?
A:薬膳の料理教室とは異なります。
「薬膳」の本来の元は、中医学という理論から成り立っています。
この中医学がわからなければ、せっかくの薬膳も、単なる生薬の入った料理となってしまいます。
体に不調がある場合、体のどの部分に偏りがあり、それならば、どういった薬膳を作ればその人の体がよくなっていくのかをこの中医学を学ばなければなりません。
初級講座では、しっかりとこの中医学の基礎部分を勉強していきます。
Q:具体的には、どんな内容を勉強するのでしょうか?
A:以下に簡単にご紹介いたします。
初級講座では、すべて行うのは時間の都合上難しいですが、
ご理解いただけるようポイントとなる部分をしっかりと勉強していきます。
基礎をしっかりと学んで頂いて、中医学の土台を築きます。
1:中医学基礎
中医学とは何か?中医学の立場から、からだの見方や診断の基礎となる概念を学びます。
具体的な内容は、中国哲学の基本思想、気血津液、五臓六腑、病因病機 などを学びます。
2:中医診断学
からだのどこが悪いのかを探っていく中医学による診断方法を学びます。
具体的な内容は、四診、八綱弁証、臓腑弁証、気血津液弁証、六経弁証、衛気営血弁証 などを学びます。
3:中薬学
薬膳や漢方薬に含まれる各生薬の特性を具体的に学びます。
4:方剤学
葛根湯や補中益気湯など具体的な方剤について学びます。
5:営養学
普段の食べ物について中医学的観点から各々の特性や作用・性質などを学びます。
6:薬膳学
中医学理論に沿った薬膳の目的や分類を学び、さらに弁証施膳する方法・調理法を学びます。
7:「食物性味表」の解説
初級講座のサブテキストであります、「食物性味表」の説明です。
食物性味表とは、日常の食物の性味・帰経・効能・適応が記載されており、さらに
現代栄養学の視点からもその食物のもつ特徴的な有効成分などが記載されています。
この食物性味表を解説していきます。
8:調理実習
テーマを決めまして、そのテーマにつきまして中医学的観点から解説を行い、その後に実習に入ります。
実習では、講師のデモンストレーションを行った後に皆様で実習を行います。
その後、出来上がりましたら、皆様で召し上がっていただきます。
例えば、実習のひとつに、昨年は「秋の薬膳」について実習しました。
まず、秋の季節について中医学観点から解説していきます。
秋は中医学的にはどういった季節なのか、その特徴をお話して、
それではどういったことに気をつけていけばよいのかを説明していきます。
そして、食べ物につきまして解説を行い、その後に実習が始まります。
9:弁証方法
初級では難しい範囲になりますが、具体的な弁証方法につきまして、
少しだけ触れていきたいと考えております。
弁証とは、中医学のコアな部分です。とても重要な部分でありまして、中医学の
おもしろさもここにあります。
例えば、「元気がないので薬膳料理を作ろう」 と思います。
一言で元気がないといいましても、中医学から見てみますと、色んな数多くの原因が考えられます。
その原因を探っていくのが中医学であります。その方法を弁証と
呼びます。なぜその人は元気がないのかを具体的に弁証していきます。